■『ホテル ジューシー』鳥井 司 著作■

レバレッジ効果

2009年11月03日 20:49

鳥井 司氏は、覆面作家で、推理小説作家です。
『ホテル ジューシー』は、直木賞を受賞作で、ページ数もチョッとだけ、多い分、非常に面白いです。電車内で読む時には、注意して下さい。笑いが声になってしまうので、車内の人がひいてしまうかも…。

【あらすじ】
主人公の女子大生が、卒業旅行の資金を捻出する為、最後の夏休みにアルバイトをした時の出来事を何編かの話で構成しています。女子大生のアルバイト先は、沖縄にあるホテル(宿泊費が激安)。ホテル名が、ジューシー。そのまんま、本のタイトルです。主人公以外の登場人物は、友人の女子大生、ホテルの副支配人(事件を解決させる探偵風の役回り)、ホテルの従業員たち、訳ありな宿泊客たちです。

その中の1編。
アルバイトの女子大生は、ホテルのフロント係で、宿泊の予約、宿泊客の対応とその他の雑用をこなし、忙しい毎日を充実して送っている。そこに、現れた宿泊客は、女子高校生風の2人。女子大生は、今風のチャラチャラした風貌でない。それに比べ、宿泊客は明らかに年下で、今風のファッションで、どんな男にも付いて行く2人であった。そんな事もあり、女子大生はその2人の行動に危なっかしさを感じていた。2人は夜中になっても、部屋に入らず、階段でしゃべり、ハンバーガーをほうばり、ゴミをちらかしたままにした。客の出したゴミを片付けながら、何故、あの子達の出したゴミを…とつぶやく。別の日の深夜から早朝にかけ、ホテルのエントランス前で、飲み食いし、夜を明かしていた。そんな事を繰り返す2人が、ホテル前で見知らぬ男達に言い寄られ、連れて行かれそうになった。そこに現れたホテルの副支配人が、男達を追い払う。(追い払い方が、笑えます。本で読んでください。)
その後、ホテルの副支配人が、2人の挙動不審な理由を、みんなの前で、推理し、謎解きをする。
2人の内の一人は、阪神淡路大地震に遭遇し、自宅には両親といた。しかし、両親は建物の狭い部屋で、亡くなった。早朝5:46の出来事である。だから、ホテルの個室という狭い場所を嫌う。また、深夜から早朝にかけ、暗闇が怖く、室外でさわいでいた。(詳細は、本で読んでください。)
それを聞いた女子大生は、全てを合点した。

★鳥井 司氏の作品で、『ホテル ジューシー』に登場する女子大生の友人側の話が姉妹本で出版されています。『ワーキング ホリデー』です。こちらは、歯科を舞台にした内容です。歯科技工士が、謎解きをする役回りです。これもまた、非常に面白いです。その他の鳥井 司氏の、書籍にも目を向け、私は全て読みました。全て推理小説です。鳥井 司というサラリーマンと引きこもりの友人が、彼らのまわりで起きる謎を解くというストリーです。出版された順番で読むと良いです。シリーズ化されていますので、最初の作品に登場した人物たちが、次の本にも登場します。

今回は、ここまで!

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